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怒るSRK [Loss & Pain]

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これまでのエントリーでは、あたかもSRKが聖人君子であるかのような印象をうけるかもしれません。しかし、実際の彼は、より良くあろうと日々常に努力しているけれども、決して完成された人格者ではないと私は思います。やんちゃな子どもっぽさがあり、負けん気もものすごく強いのですが、良識と教養があるので、できるだけ抑制しようとしています。しかし、相手から攻撃されると抑制のタガが外れて怒ったり、逆に激しく内省的になったりします。

以下は、2009年ごろですが、アーミル・カーンが言わなくていいような挑発的な発言をしたために、SRKを怒らせてしまったもの。この年のSRKは色んな意味でついていなくて、ユーモアでかわす余裕も無かったのでしょう。

I think he should talk about himself, not about me. I think he should restrict it to praising his film, praising himself and not talking about my PR or my marketing.
アーミルは僕のことじゃなくて自分のことだけについて話すべきだ。自分の映画をほめ、自分自身をほめていればいい。僕のPRやマーケティングについてとやかく言うんでなく。

What he does I don't question. I think he's wonderful. I've always praised and said that he is really a fantastic actor, he does his job very well, he is conscientious.
僕は彼のすることをとやかく言わない。彼は素晴らしいし、僕はいつでも彼を讃えてきた。素晴らしい俳優だ、いい仕事をする人だ、とても入念だと。

I don't think he should get into the territory of what I do. Because he doesn't know me well enough to comment on that. And I don't like it.
アーミルは僕の成すことの領域に立ち入るべきではない。彼はそれについてとやかく言うほど僕を知らないし、僕は不愉快だ。

He named a dog after me, which is OK. I said OK that's a joke. So , XYZ things, when they say, it's alright. But beyond that, I think he should restrict it to himself.
犬に僕の名前を付けたりしたのはOKだ。単なる冗談だし気にしない。あるところまではいいけれど、それ以上は彼の立ち入るべきものではない。

I also wonder why I play on his mind so much. He should do his job. He is working hard. Time to work hard, continue with what he does and be happy for what God has given him(me). Don't be unhappy for what God has given me. He should enjoy what he has so than not enjoying what others have. I'm not here to taking nonsense from anyone.
そもそもなんで彼が僕のことをやたらと気にするのか解せないよ。自分の仕事をしてろよって。自分の仕事を一生懸命やって、やるべきことに注意を向けて、神に与えられたものに感謝しろって。神が僕に与えたもののことで不愉快になるんじゃなく。自分の持っているものに満足してろよ。人が持っているものを不満に思うんじゃなくて。僕はくだらない話は聞きたくないよ。

最初の内はわりと冷静に…だんだん感情が激してきて…でもまあここまではまだ良かったんですが、

I'm not Billu, and I don't think I need to cut anybody's hair to become famous. I just act to be famous, I just be in a movie to be famous. I walk, and I just breath to be famous. I just have to be, to be famous. I don't need to cut anybody's hair to become famous.
僕はビッルーじゃないからね。有名になるのに誰かの散髪をしたりする必要はない。僕はただ演技で、映画に出ることで有名になれる。歩いて、呼吸をするだけで有名になる。ただいるだけで有名になる。人の髪を刈ったりはする必要がない。

ここまで来ると、ちょっと言い過ぎですよね。それこそアーミルのPR(ファンをGhajiniカットにするという)についてとやかく言っている訳で、相手のレベルにまで自らを貶めているという感じ。それに散髪という行為に対する侮蔑的な態度が気になります。怒りのあまりとはいえ、SRKもまだ修行が必要です。


アーミルが何を言ってこんなにもSRKを怒らせたのかは……<続く>です。
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怒らせるAamir<1> [Loss & Pain]

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SRKを怒らせたAamir Khanの発言その1です。
まず予備知識として以下をお読みください。

・SRKは本当はロマンティックな映画を好きではない
・できればロマンス映画ではなく、アクションやコメディ、社会的な映画で評価されたい。
・しかし、自分をキング・オブ・ボリウッドにしたのは、ロマンス映画だと認識している。
・自分だってショーン・コネリーは良い役者だけどやっぱり007ジェームス・ボンドが天下一品だと思ってしまうので、観客の望みは理解できるし、観客の幸せが一番大事だと思っている。
ロマンス以外の映画で評価されないのではないかと恐れている。実際Asoka, Phil Bhi Dil Hai Hindustani, One 2 ka 4など新境地を目指した映画は興行的には失敗し、Chalte Chalteの成功で救われた。
実際のところは言われるほどロマンス映画ばっかり出ている訳ではない。特にAamirの発言があった2008年RNBDJ直近の数本は、Chak De, OSO, Donなど、バラエティに富んだ映画で成功している。

0:33
I think Shah Rukh works in his style. He likes to do romantic films. ...He likes to do a certain kind of cinema which he does very well. And he stays within the limit of that so he does mostly romantic films. シャールクには決まったスタイルがある。彼はロマンティックな映画をやりたがる。特定のジャンルの映画を好み、それを上手にこなす。そしてその範囲を踏み出そうとしないので、彼の映画はほとんどがロマンス映画だ

And he likes to work with certain kind of people. And he is very good at that. I think he keeps audience very happy in that way. しかも彼は特定の人たちとばかり仕事をする。彼はその仕事を上手にやり、それによって常に観客を喜ばせている。

I have totally different way of working. I don't play safe at all. I'm happy to take risks. I go with my instinct. 僕はぜんぜん違ったスタイルで仕事をしている。安全策は一切取らず、リスクを冒すことを楽しむ。自分の直感に従う。
In fact I feel that cinema is something that story telling. Each time I would like to tell different story. I don't want to tell same story again and again. I want to tell different story each time. It's challenging for me. It's exciting for the audience. 僕は映画というのは物語だと思っているので、毎回違う話を伝えたい。同じ話を何度も何度も繰り返すのは嫌だ。毎回違う話をするのは自分にとっては挑戦だし観客にとっては刺激的だ。

Neither of us is right or wrong. I mean each one has their own way of working, and priorities. Both of us are successful. So I think there is no issue.
どちらが正しいというのではない。どちらにも仕事のやり方や優先順位がある。僕たち二人とも成功しているので問題はない。




SRKの神経を逆なでしたAamirの発言はつまりまとめると、

SRKがロマンス映画を好きだという決め付け(事実に反する)
SRKの映画はワンパターンだという決め付け(必ずしも事実に即していない)
自分は絶えず新しい挑戦をし成功しているという自画自賛(これは事実)

ということになります。

<楽しいテーマではありませんが続きます>
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苦悩するSRK [Loss & Pain]

2009年というのはSRKに取って散々な一年でした。
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My Name is Khanの撮影に入る前に、あんなに仲が良かったファラーと仲違いをし、特別出演した自社作品「Billu Barbar」は公開日直前になって、「Barbar(床屋)」という言葉が侮辱的だということで理髪師の団体からクレームがつき、タイトルや歌詞、画面からこの言葉を突貫工事で削る羽目になりました。作品自体も内容的には心温まる小品だったのですが、SRKの特別出演部分に懲りすぎて大作並み予算になってしまい、結果的に思ったような利益を出せなくなってしまいました。
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オーナーを務めるクリケットチームはリーグ最下位の成績、アメリカの空港でテロリスト疑惑で拘留されたことは日本でも報道されましたね。

一番大きな苦悩はデビュー時に世話になった人への義理で友情出演した"Dulha Mil Gaya"撮影中の負傷です。カメオだったはずがどんどん出演部分が膨らまされ、忙しい中でやりくりして撮影している最中に、左肩の筋を痛めてしまったのです。この傷のためにMy Name is Khanの撮影は遅れ、次に準備していたRa. Oneのクランクインも延期になりました。SRKは怪我してすぐには痛みに耐えながら無理して撮影に復帰していたのですが、結局悪化させて手術をすることになりました。Ra. Oneはアクション映画なので完治を待たなければなりません。この2本の大作の遅れが、どれほどの経済的な損失を与えたことでしょうか。去年から今年にかけてのSRKの隙間仕事(頻繁なステージパフォーマンスやTV出演など)の量を見れば、相当のものだったことが察せられます。

しばらく世間から遠ざかっていたことをインタビュアーに指摘され
0:43
I've got hurt. I've been injured. And I was a little depressed because you know when you're injured, and someone like me who loves to be active, moving around, doing work it was very depressing. 僕は怪我をした。ずっと負傷していて、それで少し落ち込んでいたんだ。わかるだろ、僕みたいな絶えず活動して動きまわり、働いていたい人間にとってこれがどんなに辛いか。


Because I kind of got the capacity I'd already started "Khan". So I kind of just about finished it without too much problems. But, yeah last four months I got really depressed because even after finish "Khan", I didn't know what to do I couldn't shoot. My doctor said to wait til Feb before I actively start shooting. すでにスケジュールはきちきちだったしね。Khanの撮影は始まっていて、何事も無くスムーズに撮り終えるところだったんだ。でも、そうさ。4ヶ月というもの僕はふさぎ込んでいた。どうにかKhanは撮り終えたがその後どうしていいか、撮影ができなかったんだから。医者は2月まで動きのある撮影は待てというし。


So Insha Allah in the next two days I'm gonna do my final test. I'm feeling good so I think I'm alright and I should start working now. インシャ・アッラーこの2日の内に最終的な検査をする。気分は悪くないから多分大丈夫だと思うんだ。もう撮影開始してもいいだろう。


1:55 You should never forget the failure. If you forget the failure, you should never succeed. So 2009 is the most memorable year for me for being completely screwed up. So I'll make sure I'll never forget 2009 so it never ever happen again to me. I don't like to lose. 失敗したことは決して忘れるべきではない。失敗を忘れていては絶対に成功はできない。だから僕にとって2009年は完璧な大失敗の年として最も記憶に残る一年だ。再びこうしたことが起きないように、2009年を決して忘れないつもりだ。僕は負けるのが嫌いなんだ。

The ones that go wrong should be never forgotten. The ones that go right have the life of their own and they should be forgotten they'll take care of themselves. So I think it was the most memorable year for me. I tell everyone that success will never be able to teach you anything. うまくいかなかったことは、決して忘れてはいけない。上手く行ったことは放っておいても大丈だ。それ自体が良いように働いてくれるからね。そういう意味では実に忘れ難い一年だった。いつも言うんだけど、人は成功からは何も学ばないものなんだ。


King of Bollywoodの名は単に映画が売れるからというだけではありませんね。様々な困難を乗り越えてきた不屈の精神力が王者にふさわしいのでしょう。とは言え正直2009年からこっちのSRKは、満身創痍の身体で一人奮闘していて痛々しかったです。近頃も人前でほとんどサングラス姿なところを見ると、まだ色んな意味で癒されていないのかなあとも感じるし。
Ra.Oneの大成功で鬱屈がすっきりと払拭されることを祈ります。

怒らせるAamir <2> [Loss & Pain]

さて、お待ちかね…でもないと思いますが、地震で中断していた「怒らせるAamir<2>」です。前回までの経緯を忘れてしまっている方は、「怒るSRK」と「怒らせるAamir<1>」を先に御覧ください。前回は出演作品のジャンルに関する嫌味でしたが、今回は人間関係に関するものです。

I think that Shah Rukh's big strength is that, he really knows how to keep the media happy. 僕が思うにシャールクの強みは、メディアの連中をいい気分にさせるツボを心得ているってことだ。

0:20
He really knows how to keep the media on his side and make personal relationships with a lot of people from the media who are in the powerful positions, interact with them. And I think that's great. That's his strength and he uses it well. 本当に彼はメディアを味方に惹きつける術を身につけている。そして業界の有力者たちと個人的な関係を結び親しくなる。素晴らしいじゃないか。それは彼の強みで、彼は上手くそれを利用してる。

どうでしょうか?悪意とも賞賛とも取れる微妙なラインですが「業界の有力者たちと個人的な関係を結び…云々」は確信犯的な匂いがします。まあ無理すれば単に無邪気にSRKの社交術を賞賛しているとも取れ…る?…うーん、やっぱ無理かな。

当然メディアは前者に受け取りました。
1:12
He chose his words carefully giving all the credit of SRK's popularity not to his work, but to his smooth talking ways. 彼は注意深く言葉を選びつつ、SRKの人気は実力ではなく滑らかな話術に負うものであるとした。


ワンポイントレッスン(笑) to give credit of A not to B but to C … Aの功績はBではなくCにあるとする

Aamirもいらんことを…と思いますが、SRKをあそこまで怒らせたのは、発言そのものもさることながら、「Aamirはああ言っているけれどどう思うか?」とことさらに取り上げて不愉快な質問を重ねたメディアの責任もあるんじゃないかなあ。それとまあ、"Ghajini"の圧倒的な大成功、怪我をして思うように活動できない自分自身の鬱屈など、色々な要素があったのかも。

ここではまだ辛口ジョークで応酬する余裕があったんですよね。

0:49
I think it's a good strategy. You take the biggest brand in the country that is Shah Rukh khan. And then use that platform to publicize yourself. I think Aamir rocks. 良い戦略だと思うよ。シャー・ルク・カーンという国一番のビッグなブランドを、自分自身の宣伝に利用するってのは。アーミルやるなあって。


The problem is I can't use any other brand because there is no other brand bigger than me(laugh). 問題は、僕にはその手が使えないってことだ。だって僕よりビッグなブランドはどこにもないからね(笑)。

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さて、SRKをあんなにも怒らせたAamirの発言はつまるところ、

SRKはウケるからってワンパターンのロマンス映画にばかり出て、メディアの有力者に媚び売って人気を博している。それに引きかえ俺さまは、リスクを背負って毎回冒険し、実力で大成功おさめちゃてるもんねー」ってなもんです。

うーん、こうしてみると鼻持ちならない発言ですねぇ…。これでもしAamirが喧嘩を売るつもりじゃなく言ったのなら、恐ろしく不器用な人だと言わざるを得ません。社交嫌いと言われるのも無理はないかも。

最後にもう一度SRKの名言を:
"Be happy for what God has given you. Don't be unhappy for what God has given me." 「神が自分に与えたものを喜べよ。神が僕に与えたものを不愉快に思うのではなく。」

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