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【3】シャー・ルク・カーン物語 [シャー・ルク・カーン物語まとめ]

シャールクの両親のラブストーリーは、あまりにもドラマチックで本当のこととは思えないほどです。事実は小説より、ボリウッド映画より奇なり。まあ、もしかしたら幾分は尾ひれが付いているかも知れません。ミール、語り手横丁出身だし…。とにかく、彼らの出会いは、伝えられているところによればこういうことだったらしいです。
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ミールは一目でファティマに恋をしてしまいました。助けだされたファティマは大怪我を負っており、すぐに病院に搬送しましたが輸血が必要とのこと。たまたまミールの血液型が適合し、彼は自分の血をファティマに提供しました。ファティマが危機を脱したのもつかの間、当時5人目の子どもを妊娠中だったファティマの母親も、娘の事故のショックで流産してしまい、何とミールはまたして献血をすることになったのです。

ファティマは、バンガロールの中流階級の家庭に育ちました。イスラム教徒で、Begumという女性の尊称を名前に持っているところから、家柄は良かったものと察せられます。彼女は進学のためにデリーに来ていましたが、すでに許嫁がいました。有名なクリケット選手のアッバス・アリ・バイグです。Baigも同じくイスラム教の首長格の名前で、二人の結婚は家柄の釣り合う同士の親たちによって決められていたのでしょう。一方のミールは、独立運動の闘士とは言え天涯孤独で、財産もちゃんとした職もありません。親たちは命の恩人の娘への求愛に戸惑いつつも反対し、「輸血をしてもらったから二人は家族になった。血族結婚になるから結婚は認められない」などという理由まで持ち出しました。

しかし、ファティマもこの背の高い美しくてロマンチックなミールを激しく愛するようになっていましたし、彼女の意志の強さは並大抵のものではありません。両親は、命を助けてもらった恩もあってやがて折れ、二人の結婚を認めたのでした。身分を揃えるために、ファティマは事故当時ミールと一緒に散歩をしていたシャー・ナワーズ・カーン将軍の形式的な養女となり、ミールに嫁ぎました。ファティマ18歳、ミール31歳のことでした。結婚式にやってきたお客は、色白のミールが花嫁以上に頬を染めたことを長く記憶しました。
4- SHAHRUKH KHAN'S PARENTS MIR TAJ MOHAMMED & FATIMA BEGUM MARRIAGE PHOTO.jpg

《続く》


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